<焼山(やけやま)>

焼山(1709m)

ルート黒井沢P(林道)上手山峠(主尾根)焼山(往復)黒井沢P(登山道地図)
登山日:2004年11月21日
登山口:岐阜県中津川市 map fan
天候:晴れのちくもり
テーマ:ヤブ山探検
ガイドブック:『岐阜の山旅100コース(下)』、『続・名古屋周辺山旅徹底ガイド』など
同行者:単独
時間記録:歩行時間 行き:5時間、帰り:2時間35分
07:00 黒井沢駐車場
08:05-08:30 上手山峠
10:00 1659mピーク
12:15-12:35 焼山
14:00 1659mピーク
14:35 上手山峠
15:10 黒井沢駐車場
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仕切り線

【恵那山林道閉鎖前に】

今春から恵那山林道(通称:黒井沢林道)が復旧しているが、来月からいよいよ冬季閉鎖になる(12月〜3月)。閉鎖前に恵那山林道を使って山に行きたくなった。さてどこの山を目指そう。恵那山黒井沢ルートは今年の5月に行ったし(集中登山日記)、焼山は今年の3月に行っているし(日記)、なるべく今までに歩いたことが無いルートを歩いてみたい。深田久弥氏の時代に使われていたという初期の黒井沢ルート(@恵那山コラム参照)や野熊山も興味があるが、なんとなく鯉子山に行ってみることにした。WEBでは一切記録の無い山だし、書籍でも記録が非常に少ない山である。
とは言うものの、結論から言うと上手山峠から県境稜線に沿って鯉子山を目指したが激ヤブで立ち入れず、予定を変更して焼山に向かったのだった。

【焼山登山】

今年の残雪期に焼山の西側を周回した。今回は東側のルートとなる。渋い山なので黒井沢林道が開通してからもあまり歩かれていないようだが、途中までの記録が「Itoh's Home Page」さんの記事に紹介されているので参考にした。Itohさんに感謝。このルートは比較的新しいガイド本『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース(下)』に載っているが、調査が行われた時と状況が変わっていて、現在は笹がかなり伸びているのでガイド本のコースタイムではとても歩けない。上手山峠から3時間くらいかかるのでご注意を。
なお、西側のルートに「雲よりも高く」さんの記録もあるのでご参考に。

【ヤブ山登山スタイル】

ヤブ山で一番恐いのは、遭難したときに誰も助けにきてくれないこと。今の時期の遭難の原因として思いつくのは、落石、熊、毒蛇、シャリバテ(ハンガーノック)くらいか。今年は特に熊による事故が多く、今月(2004年12月号)の『山と渓谷』には登山者が熊に突然襲われた話が載っていた。不安要素は少しでも除きたいと思い、落石や熊による突然のパンチに備えてチャリンコ用のヘルメットをかぶることにした。黒井沢から上手山峠までの林道も荒れているようなのでたとえ落石にあっても直撃が避けられる。熊は会わないようにすることが一番の対策となるので熊鈴をつけ、要所要所で笛を吹くことにした。爆竹を鳴らすことも考えていたが、隣町に行かないと手に入らなかったので今回は諦めた。蛇対策は登山靴とロングスパッツを身に着けていれば毒針が皮膚まで届くのは防げるだろう。シャリバテ対策(=おやつ)としては、カロリーメイト・チョコレート・ミルキーなどを用意した。その他は1/25000地形図(美濃焼山)、登山用コンパス、ヘッドランプ、ツェルト、テーピング、目印テープなどもかばんに入れた。また、激ヤブが予想されるので、普段登山に使っている薄いマラソン用手袋でなく軍手を用意した。
今回は久しぶりのヤブ山登山となるので慎重に持ち物を用意した。登山者の少ない山で動けなくなったら誰も助けにきてくれない……。
なお登山届けはWEBで岐阜県警へ提出できるが、救助依頼が無い限り登山届けは見ることが無いそうなので、身内や親しい人に下山予定時刻を伝えておかないと意味がない。

【黒井沢駐車場】

多治見を5時に出てR19、R363で黒井沢林道へ。川上の名水場は今日も朝早いうちから人が水を汲みに来ている。ここを通るのは3回目だがいつもにぎわっている。よほどおいしいのだろうか。
黒井沢林道に入る。地図を見て前々から気になっていた途中の神社(大山稚大神?メモ忘れた)にも寄った。紅葉が見頃とのことだったが真っ暗で何も見えず残念だ。恵那山の登山口になっている黒井沢の駐車場に着くころ明るくなった。多治見から65キロ、1時間40分で到着。県外ナンバーが多く、テント泊の人もいた。
恵那山の登山者と少々おしゃべりして、登山届けを出して出発。すぐに道が二手に分かれるが右に行く。橋を渡ると「OFF ROAD PARK 黒井沢」と呼ばれる車のコース広場があり、その存在を知らなかった小生は非常に驚いた。しばらく舗装道路歩きとなる。『飛騨の山山(国境編)』によると昔は別荘地だったとか。なるほど道路から廃屋や廃車が見られる。
黒井沢駐車場 しばらく舗装道

【恵那山林道】

舗装が切れる地点で道が2つに分かれていた。峠へは林道に沿って右に歩いていけばよい。左の道は細い道で保安林の看板によると「テング小屋」に通じているようだ。『飛騨の山山』によると著者の酒井昭市氏はたぶんこのテング小屋から鯉子山に登ったと思われる。
恵那山が次第に大きくなっていき、古い赤色のゲートを見るとすぐに新しい緑色のゲートが現れた。東濃森林管理所の管轄下では見慣れたゲートだ。車は古いゲート手前に1台駐車可能。新しいゲートのところから焼山が良く見えた。中津川の谷の先には笠置山が見えた。
ゲート越しに焼山 荒れた恵那山林道

【上手山峠から鯉子山は断念】

ゲートを過ぎると恵那山林道がなんだか荒れてきた。草は生え放題となり、林道は崖崩れで半分埋まっている箇所や、陥没して崩壊している箇所も数箇所あった。ただ徒歩のぶんには特に問題となる箇所はなく、上手山峠に到着。峠には昔の小屋があったが、ずいぶんと放置されているようで、小屋の中まで笹が生えていた。なお、林道には写真の白い花がよく咲いていた。半分枯れていたが真っ白で群生していたので見ごたえがあった。
しばし休憩の後、鯉子山に向けて立ち上がる。小屋の裏辺りまでなんだか薄い道があったものの、すぐに激ヤブとなる。尾根に乗ってしまえば何とかなるだろうと思っていたが、急勾配のため笹を押すための踏ん張りが効かずなかなか前に進まない。足は地面につかず笹の上に浮いている状態なので滑ってしまう。15分の格闘の末、こんなのやってられん(^^;)と潔く断念。残雪期にまた来よう。
恵那山林道の忘れな花 上手山峠

【上手山峠から焼山へ】

せっかく峠まで来たので、同じく上手山峠が登山口となっている焼山に向かうことにした。登山口には、恵那山周辺の山では見慣れた看板が立っていた。しばらく急登が続き、徐々にヤブが覆い始めてきた。
笹が薄いところは精神的な余裕がでるので、白樺(カンバ?)の木の白色と笹の緑色と空の青色を見てすがすがしい気分になる。途中に「山頂から2.5KM」と書かれた案内があった。
登山口 登山道

【境界見出標】

登山道には境界見出標が多い。おなじみの赤いプレートと標石がたくさんあった。境界見出標がなくなり、しつこいヤブ道となると1659mピークが近い。このピークに出るまで展望がほとんどないので辛い区間だ。
巨木 境界見出標

【1659mピーク】

1659mピーク 昔は南の尾根から道があったのだろうか、別の登山道と合流すると笹ヤブがひどい。それでも薄い踏み跡をたどっていくと1659mピークに着いた。マジックで「△1659.0M」と書かれている赤色の小さなプレートがあった。すぐ近くに大きな倒木があったので乗ってみると樹木越しに恵那山、焼山が見えた。ここまで来てやっとこの2座が見えた。展望の無いとやはりつらい。ここからがいよいよヤブ漕ぎの本番!
これは現地に行って知ったことだが、1659mピークから焼山山頂までずっとスズランテープが張られていたので迷うことはないだろう。下刈りの準備なのだろうか、とても個人の仕業には思えなかった。

【笹原】

1659mピークから県境に沿っていったん下る。焼山は1659mピークから先にも2、3のピークを越えなければならないが、この辺りから見ると稜線はアップダウンが少なく楽勝に見える(実際は距離と笹があるのでぜんぜん楽ではない)。この辺りはまだ笹の背が低く顔が出ているので呼吸も楽だ。ためしにセルフタイマーで後ろ姿を撮ってみた(右下写真:こんな感じ)。焼山の直下では笹が背を超えるのでこんな撮影もできない。鞍部で県境は南へと直角に曲がるが、焼山へはもちろん直進する。朝露でびしょぬれになったので仕方なくゴアのズボンを装着。
笹原から焼山ピークを望む 笹原漕ぎ

【恵那山展望】

県境とのお別れの鞍部を過ぎると次のピークに向けて登り返す。ここの登りは勾配が急でないので順調に登れる。なんといっても恵那山の展望がすばらしい区間なので疲れは感じないだろう。焼山登山道は恵那山一級展望の山!上手山峠方面も展望が得られた。
登り終えるとピークはなだらかでどこが最高点だか分からないが、一箇所激しく笹が刈られていたのでここが最高点だと分かった。ここから次のピークが長い。熊さんに会わないように笛をピーピー吹きながら歩いた。しばらく樹木のために恵那山が綺麗に見えなくなるが、再び見える場所に出ると、今度は掃木沢山などの南側の展望も開けていて非常に気持ちが良かった。
恵那山 南側も開ける

【焼山】

1659mピークから数えて2つめのピークを過ぎると焼山直下の激ヤブとなる。ここまで来ると踏み跡もまばらでどこが主道なのかよく分からない。ここまでたどり着く前に撤退する人も多いのだろう。勾配が急のため笹を押そうとしても踏ん張りが効かない。ペースを落として休み休み前に進む。振り返ると笹原が綺麗で上手山峠方面の山々もよく見えた。1659mピークなどで鯉子山は見えないが、その背後に恩田大川入山と大川入山が非常に大きかった。恩田大川入山から恵那山へと続く稜線を目で追っていくと島の谷山や野熊山と思われるピークも確認でき、縦走意欲に駆られる。
焼山の山頂看板は北アルプス奥丸山(日記)と同じ作者のものだと気がついた。重厚にしてシンプル、表には赤字の山名表示と標高、裏には「ぎふ百山」の刻印。なかなかの職人気質を感じる看板だ。
上手山峠方面の展望 焼山山頂

【女郎ヶ滝】

女郎ヶ滝 登りで苦戦したヤブも下りでは体重を浴びせられるので楽だ。とはいっても焼山からずっと下りではなくピークを2つ越えなければならないのでやはり疲れた。 1659mピークあたりから鯉子山に一筋の線(=作業道)が無いかどうかチェックしてきたがそれらしきものは見当たらなかった。
ヤブ漕ぎで疲れて腕が上がらなくなりそうだったが、かっ飛ばして黒井沢の駐車場に無事下山。車のところで休憩していたら急に雨が降ってきて氷あられも混じっていたから驚いた。
帰りの恵那山林道はモミジかカエデかの赤色が綺麗で、ウェストン公園から見た女郎ヶ滝は紅葉とよくマッチしていた。

【総評】


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