<小仙丈ヶ岳(こせんじょうがだけ)>

小仙丈ヶ岳(2855m)

ルート仙流荘(村営バス)北沢峠小仙丈ヶ岳北沢峠長衛荘宿泊
登山日:2004年10月10日
登山口:長野県長谷村 map fan
天候:曇りのち雨
テーマ:新入生歓迎登山
ガイドブック:エアリア『北岳・甲斐駒』
パーティ:男7名
時間記録:歩行時間 登り:3時間20分、下り:2時間50分
08:45 仙流荘
09:20-09:45 北沢峠
10:15 二合目
11:30 大滝頭
13:05-13:30 小仙丈ヶ岳
14:50 大滝頭
15:30 三合目
16:20 北沢峠
仕切り線

【新入生歓迎登山】

毎年恒例の研究室のイベント、新入生歓迎登山の計画が立った。毎年盛夏にテントを担いでアルプスに行くのが通例であるが、今年は台風の影響やらで秋になってしまった。指導教官の提案により、目的地は南アルプスの仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳に決まる。宿泊登山はまったく初めての人がほとんどなのでテントは止めて北沢峠で山小屋泊とした。小屋泊は小生も初めての体験なのでワクワクする。昔『山の悩み相談室』(山と溪谷社、2001年)という本を読んで以来、山小屋に対してはいびきのうるさい人がいるとまくらが飛んでくるイメージがあるのだが果たして実態は(^^;)
肝心の新入生が体調不良を訴えて山登りに来ないという珍事があったが楽しい二日間を過ごすことができた。ちなみに昨年の研究室登山は恵那山日帰り(日記)であった。

【仙丈ヶ岳について】

仙丈ヶ岳はそのなだらなか山容から南アルプスの女王とも呼ばれ、南アルプス北部で大変人気のある山である。
長野県と山梨県の県境に位置し、登山ルートはいくつかある。長野県側からマイカーで入る場合、麓の仙流荘にマイカーを置き、そこから長谷村の村営バスで北沢峠に向かうのが一般的とされている(北沢峠までの林道=南アルプス林道は一般車両通行禁止である)。
北沢峠からは尾根ルート(小仙丈ルート)と谷ルート(薮沢ルート)があるため周回できるのがまた魅力的なところであろう。バスの時刻表や登山ルートなどについては長谷村ホームページに詳しく載っているので参考になる。

【仙流荘へ】

仙流荘 研究室に朝5時集合。土岐IC→中央自動車道→伊那IC→R361→R152で長谷村に入る。美和湖を過ぎると案内板があり、指示に従って左折する。細い道を走るとすぐにバス乗り場となる仙流荘に到着。土岐ICから約135キロ、予定通りバス発車時刻の30分前に到着できた。(距離的には駒ヶ根ICの方が近かったが地図を見ると峠道っぽいので伊那ICにした。)
事前に幹事が長谷村役場に問い合わせたところ、バスは予定時刻どおりの発車だと言われたのだが、実際は臨時バスが多数運行していた。さらに我々は素人集団なのでこの時期の始発は8時25分だと思っていたが、ずっと早くから運行していたようだった(同日登られた「女性のための登山学校」さんは6時20分のバスに乗っていたことを後で知る)。3連休なので登山者が多いという事情もあったのだろうが、あれだけ増発していればバスの時刻はあまり気にしなくても良かったのかもしれない。

【北沢峠へ】

バスは増発されていて仙流荘の駐車場に到着してからも2本も多く発車していた。我々は朝食を採ったりしながら予定通り8時25分初のバスに乗ることにする。バス停には立派な小屋があり、そこには売店があってバスチケットも事前にここで購入した。片道で1300円也(手荷物代200円含む)。登山者が多くてバス1台では乗り切れなかったため2台目も出してくれた。小生が乗った2台目は5〜6人しかいなかったので快適に北沢峠に向かうことができた。
当初はバスの中では眠っていこうと考えていたが、運転手さんが景色の解説をしてくれたので楽しみながら北沢峠に向かうことができた。温暖化のため今年は特に紅葉が良くないらしく、運転手さんは過去最悪だと言っていた。南アルプス林道の規制に関するお話も聞かせてもらえた。
途中でバスを止めて解説してくれるのもありがたかった。途中で見上げて大滝を見ることができたし、歌宿から見た鋸岳は絶景だったし、空に近い“風穴”なるものも肉眼で確認することができた。運転手さんに感謝。
歌宿から鋸岳を望む 北沢峠

【長衛荘に挨拶】

北沢峠に着いてからは、まず今晩お世話になる長衛荘に挨拶に行く。宿泊料金を払って、余分な荷物を置かせてもらう。目を輝かせて門限を聞いたところ、「特に門限は無いけど今からだと小仙丈までだね」と杭を打たれてしまった。ははは考えバレてたようで(^^;)

【尾根ルート】

北沢峠から尾根のルートで仙丈ヶ岳に向かう。二合目までは緩やかな登り下りでウォーミングアップにはちょうど良かった。蟹蝙蝠(カニコウモリ)の花が終わり、白い綿毛をつけていた。二合目でテント場からの近道と合流する。とりあえず小生が先頭になるが7人のパーティなんて滅多に無いのでペースがよく分からない。コースタイム通りを心がけてかなりゆっくり目のつもりだったが、それでも少し速かったらしい。
蟹蝙蝠 二合目

【紅葉と甲斐駒ヶ岳のツーショット】

気持ちの良い登山道を歩き三合目に向かう。このあたりから徐々に登りが現れるが、途中で紅葉の赤色と甲斐駒ヶ岳の白色との素晴らしいツーショットを見れば疲れも吹き飛ぶというもの。
気持ちの良い登山道 紅葉と甲斐駒ヶ岳

【急登区間】

三合目で北岳の特徴的なピークを望むと登山道はいよいよ本格的な急登となる。途中かわいい木製のはしごなんかもあってなかなか楽しい。
三合目から北岳を望む 急登区間

【なだらか区間】

急登区間が終わるとしばらくなだらかで気持ちのよい登山道が続く。時期的に花はほとんど見られなかったが、御前橘(ゴゼンタチバナ)の実や写真のお花跡が確認できた。この花は何だろう?
平和な登山道 小仙丈の忘れな花

【大滝頭】

ちらちらと見えていた鳳凰三山が途中でばっちりと見えて一同歓声を上げる。オベリスクと呼ばれる大岩が特徴的だ。後輩に「オベリスクってどういう意味か」と聞かれてちゃんと答えられなかった。帰ってから『大辞林』を開いてみると「古代エジプトの太陽の神を象徴する石柱。上方に向かって細くなり、先端がピラミッド形の巨大な一個の石の四角柱。各面に象形文字の碑文や図像が刻まれている。寺院・宮殿の入り口の両脇に建てられた。方尖柱。」とある。へぇ〜、そうだったのか。
五合目となる大滝頭は分岐となっていて、右に行くと藪沢小屋や馬ノ背ヒュッテ、左に行くと小仙丈ヶ岳である。本日の目的地は小仙丈ヶ岳なのでしばし休憩の後で左に向かう。
オベリスクが見えた! 大滝頭分岐

【シラビソ林】

シラビソの木々が綺麗な登山道だった。御前橘の実もちらちらと確認できる。御前橘は6枚葉だけ実をつけるが、登山道で見られたものはほとんどが4枚葉だった。
シラビソ 御前橘

【森林限界】

高度を上げていくとハイマツが目立つようになってくる。いよいよ森林限界だ。
栗沢山やアサヨ峰の展望を楽しんでいると急にガスがでてきて一面真っ白になってしまった。残念!遮るものがないので風が冷たい。雨も降りだしたので一同雨具を着込む。
ハイマツ 森林限界

【小仙丈ヶ岳】

小仙丈ヶ岳 空気が薄いためか何だか呼吸が苦しい気がする。先頭を交代してもらってしんがりからのんびりと登る。先頭から「小仙丈ヶ岳!」の声を聞くが、これだけガスっていると感動も微妙なところ……。温度計は10度を示しているが強風で体感温度はもっと低い。風を遮るものが無くて寒いので、皆ガツガツと食事を終えてすぐに下山を開始した。
五合目あたりで雨が止み、黄葉を楽しみながら北沢峠へ戻った。

【長衛荘にて宿泊】

長衛荘は、山と下界の境目にあるような不思議な雰囲気の山小屋。小生ははじめての山小屋泊でなんだかワクワクする。この小屋は完全予約制なのでそれほど混雑することはないのだろうが、第一印象は寝床が狭いことだった。最もこれは予想範囲内なのでOK。
夕飯はボンカレーのようなレトルト食を想像していたが、シャケやらのおかずが豊富で驚いた。おいしくいただいた。水は飲料もOKで、歯磨きもOKとのことだった。歯磨きOKに驚いたが、さらに部屋の奥にはシャワールーム(要使用申請)があって驚いた。
朝食と翌日の昼食も用意してもらったのだが、これらはお弁当という形だった。朝ご飯は小屋内で食べるものだと思っていたが、朝は静かに寝たい人がいるのでお弁当の形を採っているそうである。というわけで朝のお弁当は小屋内での飲食も禁止となっている。音が出ても大丈夫なように外で食べよう!
夜に心配していた枕は飛び交っていなかったが、やはりカエルの合唱のようないびきには何度も起こされた。それでも寝袋でなく布団が用意されていたので、二日目の甲斐駒ヶ岳(日記作成中)に向けてしっかりと休養がとれた。
これほどまでに小屋泊が楽だなんて知らなかった。体力が衰えた中高年がたくさんアルプスに入山している実態の一面が垣間見られた気がする。よい経験となった。
寝床 夕飯

【総評】


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