<奥丸山(おくまるやま)>

奥丸山(2440m)

ルート新穂高温泉槍平奥丸山→(往復)→新穂高温泉
登山日:2004年8月21〜22日
登山口:岐阜県上宝村 map fan
天候:くもり
テーマ:3年ぶりのテント泊
ガイドブック:山と高原地図『上高地・槍・穂高』など多数
同行者:モリさん
時間記録:
(1日目)
06:05 新穂高温泉P
08:05 白出沢出合
09:40-10:10 滝谷避難小屋
12:00-14:00 槍平小屋
15:35-15:50 奥丸山
16:45 槍平(テント泊)
(2日目)
05:25 槍平キャンプ場
06:50-07:05 奥丸山
08:05-09:35 槍平キャンプ場
10:30 滝谷避難小屋
11:50-12:50 白出沢出合
14:35 新穂高ロープウェイ

仕切り線

【3年ぶりの北アルプス】

美濃の山登りが面白くて、アルプスや日本百名山などからずいぶんと気持ちが離れているのだが、北アルプスの槍ヶ岳だけは登頂してみたいものだと前々から思っていた。
新穂高温泉から槍ヶ岳へ登る山行は昨年も計画を立てていたものの雨で中止となっていた。今年こそは楽しみにしていたのだが、余裕の無い計画だったのに加え小生の体調不良のため、槍ヶ岳手前の槍平までしか行けず、奥丸山だけ登ってきた。
ガスで展望も少なかったが、北アルプスの雰囲気を味わうにはじゅぶん満足のできる山行であった。

【奥丸山について】

槍ヶ岳・穂高連峰と双六岳・笠ヶ岳の連峰との間に中崎尾根があり、奥丸山はその中崎尾根の中ほどに位置する。山頂では360度の大展望が楽しめるが、周辺にはスター級の山が多いため最近まであまり登られていなかったらしい。
奥丸山は近代登山の華々しい舞台となった滝谷の全容を知る唯一の展望台である。この山に登る際にはぜひ『ぎふ百山』などを読んで滝谷登攀の話を知っておきたい。
奥丸山山頂への登山ルートは一般的には槍平もしくは千丈沢乗越からの2ルートがある。藪漕ぎOKならば新穂高温泉から中崎山に登り、そこから中崎尾根を辿ることも可能だか、槍平小屋のおやじの話だと「草を刈っていないので相当時間がかかる」とのこと。書籍では酒井昭市『飛騨の山山』に載っていたと記憶している。ただし、この書籍によると中崎尾根は樹木のため展望が無いようなので残雪期しかお勧めできない。

【準備】

アルプスやテント山行はド素人なので事前に近所の登山店でいろいろと教えて頂いた。はしごの持つ時は横のバーでなく縦のバーをつかむことや滑り止め軍手で鎖を持つことは逆に良くないことを知ったときは目からウロコが落ちた(店長さんありがとう!)
初心者の時期に作成した登山持ち物チェックリストで持ち物を確認して当日への準備をした。登山計画書もばっちり作成した。

【新穂高温泉無料駐車場へ】

夜にバイトが終わってから0時半に名古屋で相棒を拾った後、R22の一宮木曽川ICから東海北陸自動車道に乗る。この高速道路を走るのは初めてだが道幅が狭くてしかも暗くて恐かった。制限速度が50キロの個所もあり、ずいぶんと緊張した。飛騨清見ICで降りてR158、R471、県475で新穂高温泉に着く。登山者用の無料駐車場は「深山荘」の案内板に従って蒲田川に下りたところにある。初め見落としてバスターミナルまで行ってしまった。名古屋から203キロ、4時50分に到着。まだ薄暗いが多くの登山者が出発の準備をしていた。

【新穂高温泉バスターミナル】

新穂高温泉バスターミナル 無料駐車場で出発の準備をしていると先日一緒に高社山に登ったARIさんに会って驚いた。
モタモタしていたので予定よりも40分遅れて出発。無料駐車場の奥からバスターミナルに抜ける小道があり、10分ほどでバスターミナル着いた。ここで登山計画書を提出。トイレを借りていよいよ行動開始である。
3年前は双六岳・三俣蓮華岳に向かったのでロープウェイ乗り場から左(左俣林道)へ行ったが、今回は槍ヶ岳が目標なので直進する。有料駐車場を左にみて右俣林道に入った。

【穂高平】

穂高平小屋 右俣林道は舗装されている個所もあり、単調な登りが続く。途中で近道の看板が立っていたが行きではパスして林道を歩いた(帰りに近道使用)。前後に中年の登山者がいたが、皆さんペースが早くどんどん抜かれていく。
穂高平はのどかな場所で、牧場越しにロープウェイも見えた。いつかは登ってみたいと思っている中崎山もここから綺麗に見える。

【白出沢】

全長6キロ程の長い林道を歩いているが、今日はなかなかペースが上がらない。林道脇の花を見ながら気分を紛らわす。ほぼコースタイムどおりのペースで奥穂高岳との分岐点に着き、ここで一休憩して登山者を見ていると奥穂高方面に行くパーティが結構多かった。
この分岐を過ぎるとすぐに林道終点で広い白出沢の涸れた沢を渡る。ここからの展望はなかなか素敵であった。下流を見れば笠ヶ岳に連なる山々が見え、その手前には穴毛槍と中崎山が対照的な形でそびえ立つ。上流を見れば奥穂高岳が北アルプスらしい岩だらけ(森林限界を越えている)の姿を見せる。
奥穂高岳との分岐点 白出沢出合から見た笠ヶ岳方面

【滝谷】

滝谷から見た北穂高岳(?) ブドウ谷、チビ谷と小さい谷を渡っていくが、あまり登山道に変化が無いこともあり眠くて仕方がないので寝ながら歩く。徹夜で来たせいもあり、荷物が重いせいもあるが、普段ならペースが徐々に上がっていくことを考えると、今日はどうやら体調が悪いようだ。今日は槍ヶ岳直下の小屋まで行く予定なので、ペースが上がらないとたどり着けるか心配だ。
滝谷に出合う。ほぼコースタイムどおりのペースだが、体がとてもしんどいので予定を変更して今日は槍平までとする。槍平を過ぎると槍ヶ岳山荘までの間、休むところがないのがこのコースの厳しい点。
滝谷は沢の水が豊富だったので30分ほど大休憩した。上流を見上げると滝が見え、さらに見上げると北穂高岳と思われる見事な山が確認できた。滝谷の水はとても冷たくて気持ちよかった。

【藤木九三レリーフ】

穂高平小屋 滝谷を渡ると藤木九三レリーフがある。「レリーフ」の意味は「浮き彫り」。
「藤木九三さんは岩と氷雪を対象とする近代登山を大正から昭和の初期にかけて日本に発展させた人です。とくに理論的にはR・C・C(ロッククライミング)活動をとおし、一般社会に普及した功績は登山人の忘れてはならないところであります。その藤木九三さんのレリーフをこの地にきざんだ所以は大正十四年八月十三日早稲田大学山岳部四谷竜胤、小島六郎両氏の隊と奇しくも日を同じくして残された最後の難関この滝谷の初登攀をなしとげた思い出の地だからであります。……(以後略)」(レリーフの解説より転載)。

【初めて見る花々】

槍平までと決めたらのんびり行けばよい。コースタイムの倍くらいかけて花を観察しながら歩いた。北アルプスといえども槍平は標高2000m未満なので美濃の山でよく見る花が多かった。キツリフネ、ソバナ、シシウド、ヒヨドリバナ、ヤマジノホトトギス……。初めて見た御前橘(ゴゼンタチバナ)は花と赤い実と両方が見られた。こちらも初対面、芹葉塩竈(セリバシオガマ)かな。
芹葉塩竈 ??? 御前橘

【槍平へ】

新穂高から右俣谷に沿ってずっと登ってきたが、滝谷、南沢と過ぎると右俣谷は徐々に細くなっていき上流に来たのだと実感する。登山道は相変わらず岩を敷き詰めたような感じの道。帰りに気が付いたが右俣谷の長方形の大岩が1つだけあり目立っていた。名付けて「豆腐岩」(相棒命名)。
登山道 豆腐岩

【お花畑】

お花畑 槍平の小屋が近くなると細流を1本横切る。するとそこからはカワチブシの紫色とサラシナショウマやシシウドの白色が広がるお花畑となる。伊吹山で見られる組み合わせと同じなのでなんだかうれしくなる。

【槍平】

槍平小屋でテント設置の受付をする。一人当たり500円払い、番号札をもらった。
昼食を作って食べながら他の登山者と会話を楽しむ。多くの登山者が槍ヶ岳からの下山途中であった。
テント場はまだ2基地しか張ってなかった。今日はまだ時間があるので荷物を置いて奥丸山に登ることにする。
槍平小屋 槍平キャンプ場

【奥丸山へ】

槍平キャンプ場から奥丸山方面に向かうとすぐに登山口の案内板が見つかる。話を聞いた感じだと、槍平小屋のスタッフが奥丸山への登山道の草刈をしているそうだ。
数箇所だけ注意を要する個所があったが、全体的に歩きやすい道で中崎尾根にぶつかった。
ガスってきたので展望は期待できなかったが、それでも普段見られないアルプスの大きな谷が見られて面白かった。
稜線歩きは快適そのもので、コバイケイソウかバイケイソウかの群生地も見られた。何でも吸い込んでしまいそうな紫色のリンドウはこれから見頃を迎えそう!つぼみがたくさんついていた。
登山道 バイケイソウ?群生地

【初めて見る花々】

美濃の1000m級で見られる花がよく見られたが、写真の左2つは初めて見た。千手岩菲(センジュガンピ)だなんて変わった名前だ。
トラノオ類? 千手岩菲 チングルマの花跡

【奥丸山】

奥丸山 奥丸山の山頂が近くなると植生が変わっていくのが分かりこれまた興味深い。山頂は標高2440mなので、ちょうど森林限界の境くらいなのだろう。
山頂は360度の大展望が得られるはずだが残念ながらガスっていて視界ゼロ。霧か小雨か分からないようなものもあって写真撮影の後早々に下山した。しかし「←中崎山」という案内柱と踏み跡があったので中崎山方面に数十mだけ行ってみた。まだ踏み跡は続いていたが山小屋のおやじに聞いたらヤブだと言っていたので、どうせすぐ踏み跡は消えるだろう。
うれしかったのは「奥丸山」と書かれた山頂プレートの裏には「ぎふ百山」と書かれていたことだった。
テント場に戻ったらテントの数が7基くらいに増えていた。1日目はここまでとする。楽しみにしていた流れ星は天候不良のため見られなかった。残念!寒がりなので夜や早朝の冷え込みを心配していたが、早朝でも気温は13度で寒くなかった。

【再び奥丸山へ】

2日目雨が降っていなかったので再び奥丸山に向かう。
だが朝からガスが出ていてどうにも気が乗らない。昨日の疲れがまだ取れていない感じだ。槍平から奥丸山へのコースタイムは往復で2時間半。歩いていてまだ体調が良くないので途中で小生だけ引き返した。合流の時間を決めて相棒だけ再び奥丸山へ向かう。
それでも30分ほど登ったので穂高連峰の一部はばっちりと見ることができた。
穂高連峰 穂高連峰

【奥丸山からの展望】

奥丸山から見た笠ヶ岳方面 やはり山頂でも全体的にガスっていたようだが、10分ほど粘っていたら数枚良い写真が撮れたそうだ。
右は相棒からもらった写真。奥丸山から見た笠ヶ岳方面。槍ヶ岳も一瞬見えたとのこと(槍ヶ岳は昨日もちらっと見えた)。ぜひ展望の良い日にまた登りたいものだ。

【近道】

近道 復路は往路と全く同じ。穂高平には黒色の牛がいた。トイレ脇からの近道を利用して無事に下山した。この近道はブナの木もあり、はしごなど変化もあって、よい雰囲気だった。
新穂高登山指導センターで中崎尾根の様子を聞こうと思ったが、閉所されていた。
平湯の「露天風呂 スカイガーデン」に寄ってさっぱりして帰路についた。

【総評】


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