<男だる山(おだるやま)>

男だる山(1342m)

ルート細野柳樽林道砂防ダム作業道男だる山作業道往復細野(登山道地図)
登山日:2004年6月5日
登山口:岐阜県中津川市 map fan
天候:晴れ
テーマ:ヤブ漕ぎ練習
ガイドブック:『続ぎふ百山』、『美濃の山3』
同行者:単独
時間記録:全行程5時間50分
07:00 林道入口広場
07:20 柳樽林道ゲート
08:05-09:15 砂防ダム
09:25 作業道入口
10:55 県境出合
11:25 男だる山
11:50 県境出合
12:30 作業道入口
12:40 柳樽林道ゲート
12:50 林道入口広場

仕切り線

【はじめに】

なかなか手強いヤブ山の登山記録です。普段から地図を持ってヤブ山に行っている人以外は安易に立ち入らないようご注意ください。

【男だる山について】

男だる山は岐阜県中津川市と長野県南木曽町の境に位置する山である。「だる」の字は土辺に「垂」で滝を意味する文字だが、常用漢字でないため文字コードを使って「男埵山」と表記したり、画像を使って「男だる山」と書かないといけないのでインターネットでは表現が厄介な山である。検索エンジンで調べてみると「男捶山」と書く人もいて、皆さん苦労されているようだ。このページでは「男だる山」と書くことにする。また中津川市発行の1/25000地図では「大垣山」となっている。地元の呼び方か?
どこから登っても途中からは背丈を越える笹のヤブ漕ぎが強いられるが、地図を見て思いつく登山ルートは、(1)馬籠峠から山口村と南木曽町との境をたどる尾根ルート、(2)細野から柳樽谷を詰めるルート、(3)細野から伐採(植林?)用作業道を使うルート、(4)『未踏の岐阜県境800キロ』に載っている中津川市塩野からの県境ルートの4つが考えられる。
今回は(2)のルートで登頂を目指したが沢登りの技術が必要だと感じたので途中で諦めて、(3)のルートを見つけて山頂に立った。(1)のルートは複雑そうな尾根道をたどることになるので楽しめそうだが、既に他の人がレポートをUPしていること、登山口が岐阜県でないことが気に入らなくて却下した。いずれにしてもマイナーな山で記録が少ないので、どのルートでも楽しめるだろう。今回のルートもWEBでは初めての登場かもしれない。
なお『続ぎふ百山』によると、山名の由来は「小樽山」つまり「小さい滝がある山」という説が強そうだ。

【中津川市細野】

マイナーな山で事前情報があまり得られていないので、地図を頼りにとりあえず登山口に向かう。登山口へのアプローチは富士見台(日記)と途中まで全く同じである。R19沖田交差点から山側に入り、「クアリゾート湯舟沢」も過ぎる。バス停「清水」のすぐ近くに清内路古道や護摩堂を示す看板が立っていてそこを左に曲がる。
護摩堂を見て細野の集落を抜ける。途中の薬師堂も見学させていただいた。
今まで全く知らなかったが細野地区は歴史が深く、調べてみるととても面白そうだ。WEBページ「歴史の道 楽学楽遊倶楽部」で清内路古道について少し勉強させていただいたが、中津川市図書館に行けば、島崎庄一(著)『東山道と湯舟沢』や神坂公民館(編)『ふるさとの道』という興味深い本があるようなので、機会があれば一度読んでみたいと思う。
細野入口 護摩堂

【林道入り口】

林道入り口広場 富士見台へ通じる道から分かれてからずっと一本道だったが、途中で分岐があった。右の道には再び「清内路古道」の案内板がありまずはそちらに行ってみる。林道(池ヶ谷林道)はすぐに地道に変わり、ヘアピンカーブがでてきたので道間違いに気が付き戻る。このまま行ったら清内路古道はどこに通じているのだろうか?探索したい気分にかられる。
先ほどの分岐で左に曲がり、写真の広場の付近で再び分岐。右に行くと男だる山方面。左に行くと塩野方面である。車で右の林道に行ってみたが道が悪いので広場まで戻り付近の道脇に駐車した。細野地区は(恵那山・剣先・前山)の一級展望地だと知った。多治見から56キロ。迷いながら1時間40分で到着。

【柳樽林道】

久しぶりのヤブ山なので今日は体慣らし&山遊びの気分。道脇で咲く白い花をめでながら林道をトコトコと歩く。この道は柳樽林道というらしい。『美濃の山3』によると「やなぎたる」でなくて「やんだる」と呼ぶのだとか。中部森林管理局が管理するゲートをくぐると正面に男だる山が見えた。途中で分岐があった。地図を見る限りでは右の道は細野地区(清内路古道)に通じているのだろう。柳樽川に沿って左の道に行く。
柳樽林道 男だる山

【林道終点】

ヘアピンカーブのところでまだ綺麗な営林署小屋を見る。すぐ脇から北側にしっかりした踏み跡があることをとりあえず頭に入れて、さらに林道を進んでいく。終点が近いかなと思っていると廃屋発見。情報を求めていつものように中を物色する。2000年のカレンダーが掛かっていたので比較的まだ新しい廃屋ということか。
林道の轍は次第に消えていき、ついに草が生え放題の道になった。蜘蛛の巣や小さい虫を払いながら歩いていると林道の終点に着いた。赤いリボンが掛かっていたのでそこから林の中に入った。
廃屋 林道終点付近

【柳樽谷】

しばらく林の中を歩くのかと思ったらすぐに谷に出合う。そして林道らしき道はここで完全に終わる。仕方ないというか予想していた通りなので谷に沿ってヤブ漕ぎで進む。砂防ダムが目の前にあり、これをまず越えなければならない。ダムの上に乗るまでの最後の一歩のところが崩れやすい地盤だったので少々緊張を要した。ダムの竣工板を見ると、この谷は柳樽谷と呼ばれているらしい。
さてといよいよヤブ漕ぎか〜と思っていたが、谷の水の量が予想よりもはるかに多い。改めて地形図を見てみると結構大きな谷だったので水の量が多くても不思議ではない。ちょっと読みが甘かった。ま、谷が駄目なら高巻きすれば良いやという考えを持っているので、少し上部に巻こうとするが、この辺りの地盤はとても緩く、一歩一歩ガラガラと音を立てて砂土が落ちていく。もう一度谷に降りて谷道を強引に行けないか調べたり、トラバースに挑戦したりして、1時間ばかり格闘したが結局無理だと判断。もともとお遊び気分で来ているのでおとなしく引き返すことにした。銀竜草(ギンリョウソウ)がよく生えていた。踏み跡自体は続いていたが、獣道なのか人間のつけた踏み跡だったかは分からない。
砂防ダムから林道終点に戻る途中、古い大きな木製の橋を見つけた。立派な橋だが今や草と苔が生えて近寄れない。現役だった当時はさぞかし頼りにされていた橋であっただろう。こんな立派な橋を見られたのも、ここまで来た甲斐があったというもの。
柳樽谷 木の大橋

【作業道発見!】

廃屋を過ぎてから、別の林道(たぶん池ヶ谷林道)を使って清内路古道経由で帰ろうかと想像力を膨らませていたが、逆モヒカンのように刈られた山を見て作業道があるんじゃないかと思い始めた。詳しい場所は聞いていなかったが、実は恵那山集中登山(日記)の時に男だる山には作業道があることを教えてもらっていたのだ。復路では作業道の入り口がすぐに分かった。V字カーブをなしているので、往路からでは角度的に道の存在が全く分からなかったのだ。午後から本業があるし、おとなしく帰ることも頭にあったが、なかなか来られるものでもないので探索に行くことにした。時間が来たら引き換えそう。
逆モヒカンのような伐採跡 作業道入口

【恵那山】

作業道入り口から尾根に取り付くまではしばらくトラバース気味に道がついていた。木が倒れていて歩きにくい。尾根に取り付くと今度は笹の道となる。枯葉剤が撒かれているようで、笹はまったく気にならなかった。ただ、刈られた笹の跡があるため歩きにくく、転んだら刺さりそうで注意を要した。完全に尾根に乗ると中津川市街や恵那山が望まれた。
枯葉剤 雄大なる恵那山

【ブナ林】

ブナの巨木のある林 笹の道が終わると次はブナの巨木がある林の道になる。ここもしっかりとした道があり、作業道の一部であるようだ。ところどころにブナの大木があり目を疑う。樹齢数百年とも思われるブナの巨木まであり、非常に驚いた。まさかこんな植林と伐採の激しいところでブナの巨木に会えるとは。

【カモシカ避けネット!?】

カモシカ除けネット!? 尾根の真ん中を過ぎた辺りで作業道は尾根から外れて左に道がついていた。できることなら作業道を利用して高度を稼ぎたいのでトラバースする左の道に行ってみる。しかしどこまで行っても高度を稼ぐ様子がないので戻って尾根道を行くことにした。ここからがヤブこぎの始まり。
なかなかの急登に加え、下から登る場合は笹が背丈を越えるので視界も悪い。遅々として進んでいる気がしない。途中で網が現れて驚く。はじめは鳥を捕まえるための網かなと思ったが、県境の尾根直下まで網は続いていたのだ。家に帰ってから『美濃の山3』を開いてみると、カモシカ避けのネットだと書いてあった。なるほど〜。網に沿って薄い踏み跡がついていたのでヤブ漕ぎはうっとうしいが道迷いの心配が無くて楽だった。時間が気になっていたが、ここまで来て途中で引き返す気もさらさら起きず、結局本気モードになる。今日は軽い気持ちで遊びに来たのに、やっぱりヤブ山では本気になってしまう。イカンなぁ……。

【男だる山山頂】

尾根道を忠実にたどると白いスズランテープやら赤テープがやらがたくさんついている場所に着いた。地図を見て県境に出合ったことを悟る。馬籠峠から尾根伝いのルートで来た場合、復路ではこの地点が最大の道迷いポイントだと思われる。ヤブ山でたくさん目印がついている場合、そこには理由が必ずある。その理由を考えて遊ぶのもヤブ山登山の魅力であろう。
小さなアップダウンを繰り返するが、次第にヤブは濃くなり倒木につまづいたり、笹が足に刺さったりして、嫌になりそうになる。しかし登り続けて頂上の無い山など存在しない。作業服が木にかけられているピークを過ぎて激ヤブを漕ぐと頂上の三角点に到着。充実の達成感を得て帰路についた。山頂からの展望は北側の一部しかなかったが、少し南西に行ったところからは樹木越しに恵那山を望むことができた。
細野集落に降りてから清内路古道に関する聞き込みがしたかったが、時間がなかったので高速道路を使って慌てて多治見に戻った。
山頂 北側が少し見える

【総評】


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