<黒壁山(高丸・鳥ノ東山)(くろかべやま)>

黒壁山(高丸・鳥ノ東山)(1316m)

ルート神又谷出合林道終点黒壁山→(往復)→神又谷分岐(登山道地図)
登山日:2004年4月11日
登山口:岐阜県坂内村 map fan
天候:晴れ
テーマ:奥美濃第三の高峰、ぎふ百山
ガイドブック:『名古屋周辺徹底ガイド』、『秘境・奥美濃の山旅』、『改訂 奥美濃 -ヤブ山登山のすすめ』など
同行者:単独
時間記録:行き……5時間5分、帰り……3時間5分
06:30 神又谷出合
07:30 大松尾谷出合
08:15 池ノ又林道終点
08:30 壊れた橋
11:35-12:05 黒壁山
13:10 池ノ又林道終点
14:35 大松尾谷出合
15:10 神又谷出合
仕切り線

【黒壁山について】

黒壁山は三周ヶ岳の南にある1316mの三角点ピークで、地形図に名前が入っていないためいろいろな呼び名がついている。黒壁山、黒壁、高丸、鳥ノ東山……。伊吹山から能郷白山(つまり奥美濃の西半分)の間では第三の高峰である。また奥美濃藪山の代表的存在でもあり、ヤブ山愛好家の間では知られた一級の山である。小生は昨年6月に西の1252mピークから尾根伝いに縦走を試みているが、石楠花などの腰の強いヤブにがんじがらめにあい、その尾根取り付きで登頂を即断念している(日記参照)
本ページでは山名は黒壁山を採用したが、どうやらこの辺りの山のピークは○○丸と呼ぶようである。三周ヶ岳の北にはバンドー丸(1122m)美濃俣丸(1254m)がある。また夜叉ヶ池の近くには夜叉ヶ丸(1206m)がある。池ノ又林道の案内板でも黒壁山のことは高丸と表記してあった。ひょっとしたら林業関連の世界では「高丸」の方が一般的なのかもしれない。はたまた方言か?
なお『岐阜県揖斐郡徳山村門入の民族』という書物の中で「ここは周りの山がな高いんや、西のクロカベ山に登ると、天気のぐあいで、朝鮮大連の白土塗った建物がうっすら見えるんや、北は加賀の白山が丸見え、近江の木之本のお地蔵さんも見えるんや……」という土地の人の話がでてくるそうである。小生が黒壁山の名を採用したのはこの大げさな言(^^;)につられた部分も大きい。

【池ノ又林道について】

池ノ又林道は坂内村の判断により冬期閉鎖される。この残雪の時期、林道終点まで車で入れるかどうか全く分からないので、3月末に坂内村役場に問い合わせてみた。すると「夜叉ヶ池方面の道路(村道)の除雪、崩土除去を行うのは例年ゴールデンウイーク後です。6月6日予定の山開きにあわせて作業します。 したがって山開きまでは通行止めとさせて頂いているのが現状です。積雪量は把握してませんが、谷あいはなだれ等でかなり残雪あると思います。いずれにしても村としては過去に山開き前入山者の事故がおきていること等を踏まえると、この時期の入山はあまりお勧めできませんのですが・・・」という返事が来た。さてどうしたものかと迷っていたが、4月に入ってから坂内村ホームページを見たところ、「村道池ノ又線(夜叉ヶ池方面)は通行可能となりました。」と書かれていたのでこれ幸いと思い、とりあえず現地に行ってみることにした。
結果的に車は神又谷の出合までしか入れず、林道終点までの約4キロ?(気分的には5キロ)を歩くことになったのだが、その荒れようはすさまじく、夏のシーズンしか通ったことが無い者にとっては想像を絶するものがあった。特に雪崩(の痕跡)がひどかった。本文で林道の写真を1枚だけ載せているが、もっとひどい箇所がたくさんあったので勘違いされないようにご注意を。

【林道行き止まり】

神又谷出合 多治見からR248、R303で坂内村へ。川上集落から池ノ又線に入る。バイクランドで登山計画書を出そうとしたら入り口が閉鎖されていて提出できなかった。藪山に行くときは必ずインターネットで登山計画書を出すようにしているが(岐阜県警HP参照)、実際に入山したか(どこを通ったか)という目印としてやはり紙の計画書も提出したい。
神又谷の出合いが行き止まりだった。ここまでは雪がほとんどゼロ。多治見を4時前に出て、途中休憩しながら6時20分についた。走行距離108キロ。林道の行き止まりには釣り人の車が数台止まっていた。

【池ノ又林道】

駐車場所である「神又橋」の名を確認して出発。地元の釣り人が「夜叉ヶ池まで結構距離があるぞ……」と心配してくれたが、とりあえず行ってみる。
なるほど林道はすごい状況で、雪が十分に締まっていなかったら雪崩に埋まりに行くようなものだと感じた。土砂崩れが起きている個所もあった。昨年の夜叉ヶ池伝説マラニックの時に、池ノ又林道は実際にランニングで往復しているが(日記参照)、その時の林道の印象とはまったく別物だった。
それでも日当たりのよい場所では雪が完全に溶けているところもあった。なんとか林道終点に到着。実際は4キロくらいであったが、気分的には5キロくらい歩いた気分だった。途中で3つの大きな谷と出合った。神又谷側から言うと、中ツ又谷、鳥ヶ東谷、大松尾谷である。
池ノ又林道 夜叉龍神社

【夜叉ヶ池方面断念】

壊れた橋 林道終点から夜叉ヶ池に向かう。しかし一つ目の渡渉点で橋が壊れていた。周りは岩壁でとても迂回できるような場所はない。橋の一部を使って無理やりジャンプすれば行けそうだと判断し、ためしに大きな岩を橋の上に投げてみたところ橋はさらに壊れてしまった。これは駄目だと諦め、林道終点に引き返した。雪溶けで沢の水量は夏よりもはるかに多かった。

【ヤブ漕ぎ】

ヤブ漕ぎ 仕方ないので予定変更。林道終点の東屋脇から黒壁山を直接目指すことにした。なかなかうっとうしいヤブを漕いで漕いでとにかく尾根に向かう。ヤブの上に乗った腐れ雪に苦戦しながらも大岩のある稜線に出た。石楠花(シャクナゲ)と大岩を迂回していくと徐々に残雪がヤブを隠してくれてゆく。

【夜叉壁・夜叉姫ヶ岳】

夜叉壁・夜叉姫ヶ岳 左を見ると夜叉壁・夜叉姫ヶ岳(夜叉ヶ丸)の稜線とそこに深く切れ込んだ池ノ又谷が美しい。しばし見とれた。

【偽ピーク】

どんどん展望がよくなっていく。古い赤布が所々についていて、これまた古そうな鉄のワイヤーも2、3箇所で見られた。昔の植林作業の跡だろうか?まさかこの山で人工物が見られるとは思っていなかった。
黒壁方面にピークが現れるが、これは偽ピーク。
登山道 偽ピーク

【1160m峰を望む】

右手に1160m峰が見え出す。一部の山岳本では黒壁山へのルートとしてこの1160m峰を経由するルートが案内されている。
1160m峰方面 尾根道

【黒壁山】

黒壁山と大岩 直下に大岩を有するピークが見えたら本峰が見えたも同然。笹上の腐れ雪で滑って非常に登りにくい場所もあるが、持久力でねじふせる。

【満作満開展望抜群】

振り返ると三国岳、金糞岳、遠くには伊吹山まで見える。すばらしい展望だ。この山では満作(マンサク)が満開だった。麓ではとっくに終わっている花だがさすがは福井県境である。
展望抜群 満作満開

【黒壁山】

池ノ又谷 黒壁山は360度の大大大展望。山頂に立つと、今まで地理的に見えなかった能郷白山、三周ヶ岳、烏帽子山……ばっちり見えた。書物を読んで知っていたが、まさかここまでとは! 烏帽子山まで行きたかったが時間の関係上無理と判断したのでのんびり昼食を食べて下山した。山頂プレートは一切見られなかった。

三周ヶ岳 烏帽子山と能郷白山

【お花畑林道】

帰りは往路を戻る。往路では池ノ又林道終点から大岩のある稜線にぶつかったが、これは少し遠回りだったので、帰りは大岩の場所を通らないように尾根道を直進して東屋へと向かった。大成功だった。
暖かい日ということもあり、帰りは林道の雪は少し溶けていた。お花が多く、20種類くらい見かけたと思う。たとえば紫華鬘(ムラサキケマン)、深山黄華鬘(キケマン)、写真の山猫の目草(ヤマネコノメソウ)や菊咲一輪草(キクザキイチリンソウ)、この時期にはお馴染みの岩団扇(イワウチワ)も群生していた。数え上げるときりが無いのでこのへんで。
無事に車に戻り、釣り人の車を数えながら帰ると林道には20台くらいの車があった。釣り人には人気の谷のようだ。
山猫の目草 菊咲一輪草

【道の駅 夜叉ヶ池の里 さかうち】

道の駅 夜叉ヶ池の里 さかうち 完成してから2週間と少ししか経っていない、ピカピカの道の駅。木製の輪かんじきが2種類売っていた。ともに5000円だったが、安いのか高いのか?かんじき造りの職人さんがいるということなんだろうな〜。坂内村名物のパッションフルーツシャーベット(300円)をいただいて帰路についた。

【総評】


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