<前山(まえやま)・剣先敗退>

前山(1351m)
(松田地区→前山三角点→前山最高点→剣先敗退→松田地区)

登山日:2003年9月7日
登山口:岐阜県中津川市
天候:晴れ
テーマ:恵那山塊
ガイドブック:『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース(下)』、『続山旅徹底ガイド』
同行者:単独
時間記録:行き……3時間45分、帰り……1時間40分
(前山の標準コースタイム:行き……2時間30分、帰り……1時間40分)
10:35 ゲート
10:45 登山口
11:50 督ノ城跡
12:10-12:25 大岩
12:45 主尾根出合
13:05-13:20 前山三角点
13:35 主尾根出合
14:20 恵那山展望地
14:40 主尾根出合
15:20 大岩
15:25 督ノ城跡
15:55 登山口
16:00 ゲート
 


【恵那山塊】
恵那山の周りにはたくさんの山がある。北には大判山、富士見台、湯舟沢山、南沢山。西には剣先、前山。南には鯉子山、焼山、ロクロ天井、大川入山……。小生はこれらの山を勝手に恵那山塊と呼んでいて(恵那山の山域はガイド本によって美濃になっていたり、中央アルプスになっていたり、バラバラである)、ぜひとも全山完登したいと思っている。今回の前山と剣先もそのターゲットであるが、本日は準備がひどすぎて剣先には辿りつくことができなかった。

【四ツ目川の氾濫】
多治見邸を4時に出発、のはずが寝坊して起床7時過ぎ。全米テニスが面白くて気がついたら8時。そのままテレビを見ていて出発は9時すぎに(^^;)R19で中津川市内に入り、松田交差点を曲がる。正面に前山が姿を現すがガスっていて既に霞んでいた(写真は帰りに撮ったもの)。砂防工事の大きな看板を見る。恵那山を源流とする四ツ目川の氾濫については後日『東濃の川』を読んで知った。
1932年8月26日、四ツ目川の氾濫があった。記録によると「……前山穴ヶ沢に山崩れを惹起こせしを第一とし、圧し潰し、避くるに暇なく、移すに時なく、過ぐる所一物の止る物なく全き物なし。終に一大山津浪となり、四ツ目川流域を西北に向ひ狂奔し、恵下、実戸の両岸耕地を一気に舐滅し、丈余の大泥水柱を立て、大木を箸の如く、巨岩を豆の如くに操り、土臭の怪風と悽惨の鳴動とを発して一瞬中津川町市街地を急襲せり。……」とある。わずか30分足らずで中津川駅前は「一大湖水」と貸したようである。『中津川町の水害と復興誌』によると、この災害で死者2人、負傷者24人、斃馬1頭、家屋流失63戸とあるそうだ。この辺りの事情は2002年の岐阜新聞の特集「ぎふ防災元年 安心を追う」が詳しい。例えば「荒れる山〈5〉」「荒れる山〈6〉」など。今から70年以上も前の話であるが、自然の力の大きさを改めて認識させられる災害である。

【ゲート】
一直線の道路を進むとゲートがあり閉まっていた。ガイド本『岐阜の山旅(下)』にはゲートのことが何も書かれていなかったので少し驚いたが、踏査年月日は1999年になっていたので仕方が無いかもしれない。ゲートには「イノシシ駆除 誠にすみません。ゲートを開け閉めして通ってください。」と書いてあるが鍵がしっかりとかかっていた。畑仕事をしていた方に話掛けて確認を取り、ゲート前の膨らみに駐車。ゲートは不法投棄を防ぐ目的もあるようだ。そしてここで地形図を家に忘れてきたことを知る。いやはやどうなることやら(^^;)多治見から46キロ。80分で到着。
前山 ゲート

【前山登山口】
登山口 ゲートをまたぐと三叉路になっていた。一番左の舗装道路を歩く。字の消えかかった目立たない木札があり、「左へ前山登山口500Mで」と書いてあった。すぐにしっかりとした案内板の立つ登山口に到着。ゲートが閉まっていなければここにも駐車可能。山に踏み込むと赤松などの樹木が迎えてくれる。足元には笹が繁っていた。しばらくして明るい尾根に出た。

【堀切?】
尾根道はずいぶんと痩せていて、両側がスッパリと落ちている場所もあった。お城の「堀切」みたいだが、自然と形成されたような感じもする。見事な植林地を歩く。
尾根道 植林地

【前山の忘れ名花】
植林と笹の山なのでお花は少なかったが、数種類見かけた。いずれも名前は分からないが。 前山の忘れ名花

【展望地】
明るい尾根にでると北方面の展望が良かった。綺麗な裾をひいているのは笠置山かな。ガスがなければ御嶽山も見えることだろう。展望の良い個所はこの尾根に2箇所あったが、前山の山頂付近は展望が全く無いのでここでじゅうぶんに楽しもう!
恵那市方面 笠置山?

【崩れやすい斜面】
崩れやすい斜面 痩せ尾根がまだ続く。標高が上がるにつれて斜面の崩壊が激しくなっていき、山の地肌も見られるようになった。一箇所だけ道が緩くて気を遣う場所があったが、特に心配は無かった。

【督ノ城跡】
カエルのような大岩があった。岐阜の方言を使って「どんびき岩」とでも命名すると格調が上がるかな!?個人が作ったと思われる手書きの立て札もあり、「督ノ城跡」と書いてあった。今までの痩せ尾根の中には敵の進入を防ぐために人工的に道を細くした個所もあるかもしれないなぁなどと想像を楽しんでみる。 大岩

【大岩2】
かえるのような大岩を過ぎると、小さな岩が所所に見られる。岩団扇(イワウチワ)と思われる艶やか葉がたくさん見られた。丸くないものは岩鏡(イワカガミ)かな。春先はにぎやかになることだろう。再び大岩が現れる。今度は本当に大きく、トラバースする道と目印がつけられていた。大岩の上には手頃な広場があったので休憩した。今まで歩いてきた尾根道と別の方向に踏み跡がついていたので少し行ってみたが何も無かった。この広場はそうでもないが、この山の尾根道は両側の斜面が急なためか、気持ちのよい風が吹いてきて快適である。
大岩 大岩上の広場

【主稜線へ】
主稜線に向けて最後ののぼりは結構勾配がきつい。主稜線の出合には赤テープなどの目印がたくさん貼ってあった。三角点側に少し行くと恵那山展望地にでる。今日の天気はガスっているが、さすがにここまで近いと恵那山もよく見える。
最後の登り 恵那山

【前山三角点】
前山三角点 主稜線にでると今までとは全く雰囲気が変わって笹漕ぎになる。足元がよく見えないのでつまずかないように注意した。帰りに気がついたのだが、途中で踏み跡が2つに分かれていた。尾根道を忠実に辿る道と斜面をトラバースするような道とあり、行きは後者、帰りは前者をたどった。いずれも赤テープが所所についていた。前山三角点のある場所は広場になっていて休憩にはちょうど良い。しかし展望は樹木に遮られて全くない。「たばこの投げすて!火事のもと」と書かれた看板は木に食い込み、表皮が剥がされた木にはマジックで登頂記念の文字が書いてあった。マジックの文字は今年5月に書かれたものだった。登山者のマナーはだいぶん良くなっていると思うが、まだこんな輩がいると思うと残念だ。

【前山最高点】
前山最高点と剣先に向かう。地形図を忘れたので心配だが、地形のイメージは頭にあるので行くことにした。剣先の三角点に行くにはどこかで直角に曲がる所があるはずだが、分からなければそこまでにする。松田からの登山道を見ると2本の杭が立っていた。何かも字が書いてあるのかと4面を全部見たが何も書いていなかった。ガイド本によると小学校の登頂記念の文字が書かれたいたらしい。目印テープは少ないが、尾根道なので少しの踏み跡で全く問題なく進めた。最高点と思われるピークを過ぎると笹の背が高くなってくる。けっこう漕ぎ甲斐のある笹だ。
前山最高点? 笹薮漕ぎ

【恵那山展望地】
明瞭な尾根道を歩き、行き止まり(鞍部?)まで来た。剣先らしいピラミダルなピークが左側見えたが、自分のイメージでは正面に見えるはずだった。おかしい!目印をつけながら行こうかと思ったが、かばんを開けてみたらテープが入っていなかった。こりゃ完全にお手上げ(^^;)今日はここまで。剣先は機会を見つけて、今度は正ヶ根林道の終点から挑戦することにしよう!ここから見た恵那山は普段見るような舟を伏せた形でなくて面白かった。
帰路は往路をたどった。体がもぞもぞすると思っていたら服の中から虫が2匹出て来た。たぶん首から入ってきたのだろう。悪い虫にかまれたら大変だから藪漕ぎの時は防虫ネットなどをかぶったほうが良いかも。多治見の登山店「マウンテンロード」(ここ)はまだ行ったことがないから行って相談してみようかな。
剣先ピーク? 恵那山

【総評】
・静かな山歩きが楽しめた(砂防工事をしていたらうるさいかも)。
・尾根道に吹き上げてくる風が気持ち良かった。
・剣先付近の笹はなかなか漕ぎ甲斐がある。

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